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『サクラ革命』のミライを取り戻せ

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2021年6月30日(水)で『サクラ革命 華咲く乙女たち』のサービスが終了します。その後は「機能限定版(仮称)」としてアプリ自体は起動可能のようですが、ストーリーは5章で完結ということになります。

約半年でのサービス終了は昨今のスマホゲームにとって珍しいものではないにしても、サクラ大戦シリーズという位置付けを考えると多くの人に衝撃を与えたのではないでしょうか。


本稿では『サクラ革命』の大ファンである僕が、完全なる主観でこのゲームにまつわることと、今後の願望を述べたいと思います。少しでも『サクラ革命』に興味を持っていただけたら望外の喜びです。


■ ストーリー

太正100年(大正100年とすると西暦2011年)の帝都が舞台。

蒸気機関に代わる新たなエネルギー「ミライ」を使い日本復興を誓う吉良総理だが、「ミライ」とは人間の精気だった。

ミライ」を奪われた人間は「降鬼」となり人を襲う。その降鬼対策部隊として大帝國華撃団B.L.A.C.K.が存在する。普段は政府の広報活動としてライブを披露し、戦闘時は霊子スーツに乗り込み降鬼を退治する。

一方プレイヤーは咲良しのと共に帝国華撃団を結成し、各地の乙女達を仲間にしながら政府を打倒するというのが目的だ。


西暦2011年という年が現実では東日本大震災の年である点。精気を奪われて鬼と化し政府に処理される点など、かなり興味深い設定であり、かなり惹き込まれました。

さらに、主人公側の機体霊子ドレスで降鬼を祓うと人間の姿に戻せるのに対し、大帝國華撃団B.L.A.C.K.霊子スーツでは降鬼のままで人間には戻らないという設定もおもしろく感じました。

大帝國華撃団B.L.A.C.K.のメンバーは人間を守るために降鬼と戦っているのに、その降鬼が実はミライを奪われた人間だとは気付いていないのです。

政府に利用されていた彼女達が絶望し、主人公達が歌劇でその心を救うのではないか、と想像していましたが、果たして第5章はどうなるのでしょうか。


■ 『サクラ革命』の潜在能力

九州から始まり、中国、四国、近畿までストーリーが進みました。都道府県全ての乙女たちが登場するまで続けて欲しかったです。もしすべて登場したら出身地にちなんだ聖地巡礼などの町おこしが行われたかも知れません。全国のお祭りをモチーフにしたイベントなどもおもしろそうです。

ゲームの中の日本を救うと共に現実の日本も経済的に応援できたかも知れないですね。

キャラクターそれぞれも個性的であり背景の物語も魅力的です。第4章には忍者も出てきますし、咲良しのは刀を使います。英語版もあれば海外展開も可能だったでしょう。

ポテンシャルは十分だったと感じます。


■ 『サクラ革命』の不幸

サービス開始4ヶ月で終了を決断したというのは企業としては正しいのでしょう。運営開発費と売り上げを天秤に掛け、マイナスが大きくプラスが見込めなければ早々に畳む。被害を大きくしないための決断です。

ですが「ちょっと待って」と言いたい気持ちも大きいです。

『サクラ革命』はサービス開始当初から悪評が目立ちました。Fate/Grand Orderの開発であるDELiGHTWORKSが関わっていることで、アンチが酷評。サクラ大戦のファンの中にも、タイトルや設定に対し嫌悪感を露わにする人もいました。

さらに、スタート当初はゲーム性もまだまだ作り込まれていない部分が目立ち、それらがユーザー離れを促進しました。


その後公式アンケートを実施したりデザインやユーザーインターフェース、アイテム入手難度などを刷新。新章公開やイベントなどで徐々に上向きになっていました。

ですがそこに内部情報のリーク動画が公開され、これまで積み上げてきたものが一気に瓦解してしまった印象を受けました。

個人的にはプロデューサーが誰だろうが、おもしろければ良いと思いますし、公式に発表されていない以上は正しい情報かどうかも確かめようがないので大きな問題ではないと思ったのですが、多くの人たちにとって『サクラ革命』に対する大きな損失と受け取ったようで、ユーザー離れが加速する決定打となってしまいました。

つまりミライを奪われたのです。


■ 『サクラ革命』のミライを取り戻せ

SEGAの他のアプリゲームでもセールスランキングに乗らずともずっと続いているゲームがあるので、『サクラ革命』も細く長く続いていけば良いと思っていましたが、悪評を払拭することはとてつもない労力が必要なのでしょう。サービス終了の決断を下した運営を非難することはできません。

もちろん、「公開時期を遅らせてでもUI周りの改善に注力すべきだったのでは」とか「β版や『サクラ大戦』ファン向けに事前に幅広く意見を募り、反映させていれば良かったのでは」とか「リーク情報に対しては毅然と法的対応を取っていれば良かったのでは」などいろいろ見直して欲しい点はあります。それらはぜひ今後のゲーム開発運営に活かしていただければと思います。


僕が強く訴えたいのは、『サクラ革命』の未来を奪還したい、ということです。

企画されていたであろう夏イベントや既存乙女の衣装違い、霊子ドレス違い、都道府県全部の乙女たち、日本奪還後の展開など、これから起きたであろうたくさんの楽しいことをいともあっさりと奪われてしまいました。

つまらないなら終わっても悲しくありませんが、こんなにおもしろくて魅力的なゲームなのに、妨害により志半ばで終わってしまうのが悔しくてしょうがありません。


運営開発移管によりゲームが一新し再スタートでも良いですし、ストーリーなどの設定集販売やノベライズで続いていくなど、どんな形でも良いので、このままで終わって欲しくありません。


ストーリー、BGM、キャラクターデザイン、キャラクターボイス、そしてファンに至るまで、『サクラ革命』のすべてが大好きです。

戦いは圧倒的不利でしょう。でも咲良しのと青島ふうかと司令の3人から始まった物語も、進むにつれて多くの仲間と出会え難敵を撃破してきました。

我々も今こそ『サクラ革命』から受け取ったものを恩返しする時ではないでしょうか。

想いを声に出し応援の輪を広げて行きましょう。

乙女たちのように決してあきらめず、何度でも立ち上がってみせましょう!